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「自己責任」とは何か (講談社現代新書)
桜井 哲夫

定価: ¥ 735
販売価格: ¥ 735
人気ランキング: 212280位
おすすめ度:

発売日: 1998-05
発売元: 講談社
発送可能時期: 通常3~5週間以内に発送
「本のタイトル」とは何か
自己責任とはなんだろうか?
ということを考えてみる前に
本のタイトルとはなんだろうかということについて考える
余地があると思う。
話の滑り出しは良かったと思う。
自己決定によって生じる結果や報いはすべて自分の責任だとするのが
一般的な自己責任の定義だ。
しかし、あらゆる情報を吟味した上で
自分で決定したとしてもそれらの情報に誤りがあったとしたら
もはやそれは個人の問題ではなく、他者も絡んでくる。
結果にたいする責任を個人が全面的に背負い込むのは
無理があると筆者の主張。
第一章、恋愛における自己責任論まではよかった。よかったのだが…
それ以降の章が、自己責任とどのように絡んでくるのかがわからなくなってくる。
日本人の無責任さ(このころ住専の責任たらいまわしが問題になった)は
国民的特質なのかという論点がいきなり提示されよくわからなくなってくる。
この話、責任は責任でも話のベクトルがぜんぜん違う。
自己責任論が蔓延する今の日本社会の話だったのに、
責任の所在がはっきりしないという日本の構造を分析されても読者としては、
混乱するだけだ。
毛色の異なった論考を無理にひとつの本にまとめているだけなのだろうか。
あえて筆者の側に立って第一章とそれ以降の章の関連性をむりやり案出するならば
序章、第一章を見ればわかるが筆者は「自己責任」なんて不可能だという側に立つ。
今の日本ではなにかと自己責任がはやっているがそれは
自己無責任と同意語か、自己責任という名の無責任だということ。
結局日本社会は無責任だ。ではなんで日本人は無責任なんだろう??
このような話の流れならば、一冊の本になる。
これらの仮説は私のもので
筆者は本文中で一切触れていない。
逆に私のしたような仮説を立てないと
この本は一冊の本として読むことができない。
本のタイトルとはなんだろうか、
特に新書業界はこれについてもっと自己言及的になるべきだと思う。
改版を望む
2004年。自己責任という言葉が、これほど一人歩きした年もそうない。資産運用から始まり、国外での日本人のセキュリティまで、この言葉がつきまとうようになったのだ。そこで、自己責任とは何ぞや?と考えたくなるのも人情。で、本書に行き当たる、というわけだ。
しかし、読者は失望を覚えることになるだろう。
責任の語義、公と私論、丸山真男の無責任の体系論、そして1940年体制論を論じ、日本における「責任」の問題性を指摘する。だが、本書の読者はむしろ、「結びにかえて」にある部分から<始まる>本を読みたいと思うのではなかろうか?
実際桜井は最近とある出版社のPR誌で、近年の自己責任問題を論じている訳だし。従って最近の問題意識に即した、本書の改版を強く望む。
これほど書名に意味のない本はない
「自己責任と何か」という書名は期待をもたせるが、内容には一貫性がないといわざるを得ない。「公と私」「日本は特殊な国なのか」や「無責任の体系」など、単体ではそれなりにおもしろい内容が書かれているのだが、それが結局「自己責任」にどう結びついているのかがほとんど書かれていない。
おそらく「自己責任」の周辺を考える材料を提供することを心がけ、筆者のなかでは一貫性を持った流れがあるのだろうが、読者からすればいったいなにを言いたいのかということころだ。最後の「結びにかえて」を読めば本書の広がり具合が読み取れるだろう。








